- あらすじ
- 裕福でない環境に生まれながらも穏やかな日々を送っていた少年・ケヤルは勇者に憧れるごく普通の少年だったが、ジオラル王国の第一王女にして【術】の勇者でもあるフレア・アールグランデ・ジオラルに【癒】の勇者である事実を明かされ、村の人たちに応援されて勇者の一人となり、輝かしい旅立ちを迎えた。 しかし、その先に待っていたのは、地獄そのものとしか言いようのない悪夢の日々であった。ケヤルの【回復】は「欠落した腕などを復元する」という普通なら不可能な効果をもたらす代償に、対象者の痛みや恐怖といった経験をケヤル自身が受けなければならないという致命的な欠点を持っていた。その上表向きは清楚に振る舞いながらも本性は残忍非道かつ加虐趣味と支配欲の塊であったフレアからは、回復専門の道具としてしか扱われないだけでなく薬漬けにされ、日常的に虐待も同然の仕打ちに遭う。それに嫉妬した【剣】の勇者であるブレイドからも鬱憤晴らしで暴力を振るわれ続け、少年に欲情する変質者である【砲】の勇者のブレットからは暴力だけでなく性欲の捌け口にまでされたことにより、心身共にズタズタにされたケヤルの心は壊れ、廃人同然の身となってしまう。 だが、魔王イヴ・リースを征伐する決戦の際にケヤルは突如フレアたちへの反逆に出る。実はケヤルは、薬漬けの果てに【薬物耐性】というスキルを後天的に獲得したことによって正気を取り戻しており、フレアたちを出し抜いて「賢者の石」を手に入れるため、廃人のふりをしていたのである。 負傷していたブレイドやブレットはケヤルに見捨てられ、魔族によって嬲り殺しにされる。そして、今までの「回復」を通じて数多の勇士たちの経験や能力を得ていたケヤルは超人的な身体能力も獲得したうえ、自らの「回復」の本質が「再生」ではなく「変化」である事実にも気付いたことにより、【模倣】・【改良】・【改悪】・【略奪】といった派生能力も会得していた。 自らの手で魔王を倒したケヤルは、賢者の石による世界征服を目論むフレアの真意に気付いており、彼女からの引き渡しの要求を拒否すると、自らの【回復】と賢者の石の両方の力を使って【時間逆行】を発動する。世界を自らが旅立つ4年前に巻き戻し、前世の記憶を元に人生のやり直しと自らを虐げた勇者たちに復讐して自らの幸せを掴み取るべく、新たな旅立ちに出る。
- 回復術士のやり直し
- (かいふくじゅつしのやりなおし)
- 全12話
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