- あらすじ
- 時は1333年、鎌倉幕府の後継者である少年・北条時行は、武士としての取り柄を持っておらず、武芸の稽古からも逃げ続ける日々を送っていた。しかし、後醍醐天皇と内通した御家人・足利尊氏の突然の謀反により、鎌倉幕府は滅亡する。故郷も家族も全て失い、一人生き残った時行は信濃国の神官・諏訪頼重に保護される。頼重は未来が見えると言い、時行が「2年後に天を揺るがす英雄となる」と予言する。時行は誰よりも逃げ隠れ、生き延びる才能に秀でていた。潔く死ぬことが名誉とされた時代において、自らに降りかかる過酷な運命を「逃げ」で切り開いていく英雄譚の始まりである。
- 頼重の根拠地である信濃国諏訪へ落ち延びた時行は、頼重の指導の下、同年代の郎党「逃若党」と共に仇敵・尊氏を打倒し天下を取り戻すべく力を蓄えていく。諏訪大社の稚児・“長寿丸”として素性を偽る時行だが、彼の前に北条残党を捜索する信濃守護・小笠原貞宗が立ちはだかる。当代随一の腕前である貞宗の弓術に惹かれた時行は、正体を隠しつつ技術を盗むことを試みる。犬追物の場で時行と貞宗の弓矢対決が実現し、時行は窮地に陥るも、逃げながらの後方射撃を編み出したことで逆転勝利を収める。貞宗との探り合いを経る中で風間玄蕃が仲間になる。
- 1334年初冬、諏訪領北の国境にある集落へ偵察に出向いた時行達は、二刀使いの軍師・吹雪に出会う。逃若党は村を侵略する悪党集団「征蟻党」と交戦、吹雪から伝授された秘技で敵の首領・瘴奸を打ち破り村の防衛に成功する。同じ頃、時行は頼重が一時的に失った神力を取り戻す過程で、頼重の娘である逃若党の執事・雫の持つ神秘的な力を体験する。
- 同年春、国司・清原信濃守の圧政に耐えかねた北信濃の保科弥三郎が反乱の兵を挙げる。被害を抑える命を受けた時行達は戦場に赴き、死を覚悟する武士達を説得。逃若党の副将・弧次郎の奮戦もあり、国司軍から保科を逃がすことに成功した。その後、貞宗に正体を怪しまれた時行は守護館に呼び出され、一対一の舌戦に臨む。執拗な追及から時行を助けたのは、逃若党の便女・亜也子の芸才だった。一方、鎌倉では尊氏の弟・足利直義率いる関東庇番が街の復興を進め、新たな統治者として君臨していた。
- 1335年3月、帝の綸旨を受けた国司・守護連合軍と親北条派の抵抗勢力が北信濃で激突する動乱が発生。天下を取り戻す前哨戦として始まったこの戦に、時行は複数の戦場を駆け回る伝令役として参加。諏訪神党三大将をはじめとする味方勢力と交流を深める。いよいよ時行の決起が迫る中、神職を引き継いだ頼重の孫・諏訪頼継は、祖父に関心を向けられる時行に嫉妬するが、互いの本音をぶつけ合ったことでわだかまりは解ける。同年6月、諏訪に時行の叔父・北条泰家が現れる。泰家は大乱の実行に向けて頼重と協議を進めるが、足利方の忍集団「天狗衆」が諏訪を監視していた。天狗衆の追及を躱すため、時行は泰家と共に密かに京の都へ向かう。時行たちは佐々木道誉の娘・魅摩と友人になり、楠木正成から逃げの極意を学び得る。そして尊氏を暗殺しようとするが失敗し、同じく泰家が主導した後醍醐天皇の暗殺計画も失敗に終わる。からくも信濃へ帰還するも、期せずして京を混乱させることには成功した。
- 好機とみた頼重・時行は1335年7月、ついに挙兵した。諏訪軍は瘴奸、清原や関東庇番を破り、直義を追い出して鎌倉を奪還することに成功するも、援軍としてやって来た尊氏によって壊滅させられてしまう。乱は頼重の死で終結し、時行も死んだことになり行方をくらます。この争いは、首謀者・時行の名を冠して中先代の乱と呼ばれるようになる。
- 1336年は激動の年であった。後醍醐天皇から朝敵とされた尊氏は別の帝を担ぎ上げ、2人の帝が並立するという異例の状況が発生する。身を隠していた時行は、尊氏を討つために後醍醐天皇に帰順し、北畠顕家の軍に加わる。
- 逃げ上手の若君
- (にげじょうずのわかぎみ)
- 放送中
- 動画リスト
- 表示⇔非表示